世界の産地
更新日:2010.7.21
・韓国・中国の産地情報を更新しました。
韓国

低迷価格に怒る韓国商社 (2010.7.21更新)

 今漁期(2008年)の韓国海苔生産状況について地元関係者の話しでは、「今漁期の出来は悪かった」ということであった。日本のように共販による入札制度を実施していないため生産総数は正確に掴めないが、ある韓国海苔業者の話では「2008年が99億2,200万枚生産されたのに対し、2009年は80億4,000万枚生産された」ということである。他の業者も同様、「細かい数字は分からないが、昨年よりは間違いなく生産量が減少していた」と、昨年度実績よりは下回っているようだ。

 今漁期は、漁期当初から水温が高かったこともあり、育苗が遅れた。
例年10月末からの漁期開始が11月末になったと話す業者もいるなど、育苗遅れ、その後の高水温状態続きが生産減に大きく影響したようだ。さらに年明け後の2月、3月頃には、風の影響で芽流れや摘採出来ない日が多かったことなども生産減の大きな要因になったとしている。特に2〜3月以降の海苔質が「例年に比べるとやや悪かった」と話す関係者もおり、生産量だけでなく海苔質も例年に比べるとやや劣っていたと見られている。
 特に、岩海苔系の出来は悪かったようで、昨年に比べ2割〜3割減少したと見る業者もおり今漁期の生産状態は、全体に厳しかったようである。
しかし、その反面、韓国の岩海苔相場は高く推移したようで、業者間取引で3,000枚が昨年まで40,000〜60,000ウォンだったものが100,000ウォン程度と2倍近く高く売れたということである。

 末端需要に関して芳しい声は聞こえてこなかった。海外向けには、台湾、アメリカ、香港などで需要を伸ばしているという声も聞いたが、大きく需要を伸ばしている話もなく、全体としては横ばい程度で推移しているようだが、海苔の専門業者だけでなく総合食品メーカーも含めた価格競争が激しくなっており、日本同様、消費状態の厳しさを口にする声は多かった。

 韓国の生産、流通とも厳しい話が多く、当の日本向け乾海苔入札会においても需要者割当韓国分限度数量・1億3,500万枚に対し韓国出荷企業数・34社・約8,928万枚の出品と、出品枚数も出荷業者も従来の半部近くに減少している。今回、日本から参加した海苔商社も入札前から「今日の入札(の成約率)は厳しいものとなるだろう」と口にする商社がいたが、実際、成約率約1.7%と韓国側にとっては、かつてない厳しい現実を突きつけられる結果になった。
 過去最低の成約率を突きつけられた韓国側業者の1人は、入札結果発表後、怒りをあらわにし、自身の出品した海苔を会場内に撒き散らす一幕も見られた。

 日本の海苔商社でも平成17年以降のグローバル化に伴う輸入割当枚数が年々増加した結果、「在庫をかなり持っている」と見られており、ここ数年、韓国海苔入札会における成約率の低調さが今年の入札会で極まった格好となった。昨年度の輸入割当分も未消化の状態といわれ、今後、さらに輸入割当枚数が増えてくると、海苔生産国全体が、大不作等の"不測の事態"が起きない限り、低迷状態は続く可能性が高い。海苔需要の促進を世界市場規模で推進しなければ、深刻さが増しそうである。

 今回の結果は、日本、韓国、中国の各国が世界マーケットに対して、どのように"海苔"を売り込んでいくのか、海苔の啓蒙活動等について生産国による共通のグローバル・マーケット戦略を検討し、海苔需要の国際的なパイの拡大を考える必要がありそうだ。

-----------------------------------------------------------------------------

中国

平成21年度中国海苔の概況  (2010.7.21更新)
◎気象海況悪く、早めの生産打ち切り

 
気温の上昇が進み、最高海水温度が14℃以上にまで達した。
また、日照が長いため、原藻の老化を早めた。
中国・江蘇省紫採協会主催の入札会は2009年1月10日から5月12日まで、6地区入札会場で6回に亘って行われた。当初予定していた5月開催の第6回入札会は、質の低下が大きくなり、「江蘇省のり」の評価を落とさないために生産を終わるように指導して中止することになった。このため、北部海域及び南部海域の内沙漁場は4月20日前後に網を撤収し終漁した。入札管理委員会が検討の結果、第6回入札会は、第5回入札会に間に合わなかった産地の如東、海安の2地区に限って行うことにした。
同時に、一次加工企業に対し、老化した質の悪い原藻での加工をしないよう提言した。
この結果、今漁期の同協会主催の海苔入札の出品枚数は次の通りになった。

 ◇第1回=出品枚数・1億8,025万枚。成約枚数・1億4,319万枚。高値・37.50元。
安値・5.00元。平均値・27.40元。

 ◇第2回=出品枚数・4億9,317万枚。成約枚数・4億3,816万枚。高値・38.50元。
安値・7.00元。平均値・26.14元。

 ◇第3回=出品枚数・7億8,084万枚。成約枚数・6億9,948万枚。高値・33.00元。
安値・10.00元。平均値・23.98元。

 ◇第4回=出品枚数・8億6,482万枚。成約枚数・7億7,747万枚。高値・29.00元。
安値・7.00元。平均値・20.56元。

 ◇第5回=出品枚数・10億6,152万枚。成約枚数・9億3,536万枚。高値・23.90元。
安値・5.00元。平均値・17.00元。

 ◇第6回=出品枚数・7,293万枚。成約枚数・5,499万枚。高値・18.60元。
安値・3.00元。平均値・13.51元。

 ◇合 計=出品枚数・34億5,353万枚。成約枚数・30億4,865万枚。高値・38.50元。
安値・3.00元。平均値・21.39元。

 入札会の出品総枚数は、34億5,353万枚(前年同期・23億8,606万枚)で成約総枚数が30億4,865万枚(同・18億0,262万枚)と約88.28%(75.54%)であった。販売総金額は6億4,776万元(5億3,406万元)である。前年度に比べて、出品枚数は44.7%増、落札金額は21.3%増となった。中国の今漁期生産枚数は、入札会に出品されなかったものもかなり多いといわれるが、35億枚以上になっているようだ。



◎中国海苔生産枚数の推移 (単位:万枚)
2010.7.21更新
年 度
枚 数
年 度
枚 数
1991〜1992
3億2,000
2000〜2001
9億5,181
1992〜1993
5億5,000
2001〜2002
15億7,216
1993〜1994
3億0,000
2002〜2003
21億1,843
1994〜1995
4億4,000
2003〜2004
18億0,000
1995〜1996
3億8,000
2004〜2005
7億1,269
1997〜1998
4億6,228
2005〜2006
16億3,939
1998〜1999
10億4,201
2006〜2007
27億9,372
1999〜2000
10億6,887
2007〜2008
34億5,353
(備考)
2004〜2005年度以降の枚数は、「江蘇省紫菜協会」の年度入札会の出品総枚数を掲載することにしました。江蘇省は国内産地の約90%以上を占め、入札会出品枚数は江蘇省の生産数量の約90%に達しています。

-----------------------------------------------------------------------------

1980年にワシントン州シアトル沖のピューゼット湾でスミス氏によって海苔養殖が行なわれた。
しかし、3年間程度で生産を諦め、カナダ国境のメーン州沿岸で生産されているようだ。
 かつて、ハワイ島で海水による温度差発電で汲み上げられる低温度海水を利用したプール式の海苔養殖が行なわれたが、今はヒジキなどの養殖が行なわれているようだ。
1986年頃から海苔養殖についての研究が始まり、海苔養殖企業の「ニュージーランド ノリ プロダクツ リミテッド」が設立され、1990年3月から本格的な海苔養殖に取り組んだ。
 漁場は、ニュージーランド南島の南端にあるインバーカーゲル市(人口約5万人)に面したブラフハーバーである。水深4〜5メートルで、干満差は約2メートル、水温は最高時16℃、最低時8℃という漁場である。
海苔の生産は3月から始って8月頃まで続くということである。日本とはシーズンが逆になる。初年度は、30万枚の生産であったが、100万枚の国内需要は十分あり、隣国のオーストラリアへの輸出も行なって、生産数量を増加している。
イギリスの南部地区にある南ウェールズ・ガワー半島が産地である。南ウェールズでは、海岸に生えているスサビ海苔を摘み取って、原藻をよく洗って、そのまま煮沸したペースト状の海苔が食品として市場で販売されている。
 イギリスでも、このウェールズ地方だけの食品といわれるが、テレビ番組に出演した、C・W・ニコルさんの話では、快晴の日が少ない土地柄で、乾燥して保管する習慣が見られないことが大きな要因のようである。
 ちなみに、海苔の種子が貝殻の中で夏を越し、秋になると果胞子を出して海の中に泳ぎだすことを発見したのは、イギリスの海藻学者、キャサリン・メリー・ドゥルー女史である。ドゥルー女史によって海苔のライフサイクルが発見されたことによって、日本で人工採苗技術が開発され、海苔養殖漁業が発展したのである。