世界の産地
更新日:2007.7.10
・韓国・中国の産地情報を更新しました。
韓国

◎増える韓国の生産と国内需要
 (2007.7.10更新)

韓国内の海苔生産数量がなかなか掴めない。
毎年ソウルで開かれる、韓国からの輸入海苔入札会でソウルを訪れた時、韓国の商社にその年の生産状況を聞いてみるが、なかなか実数が掴めない。4年ほど前までは70億枚程度だろうと言われ、「養殖岩海苔の生産が増え、全体の40%程度になるだろう」と聞いたことがある。毎年それが標準的な生産数量で、政府が、海苔生産の不作による価格の上昇を抑制するため、3億枚相当を年末需要の海苔価格安定対策として海苔業者から買取り備蓄しているということも聞いた。

ところが、一昨年訪れた時「海苔産地の上空写真を撮ったところ、ものすごく多い海苔網が張り込まれており、岩海苔や黒海苔を合わせて100億枚以上の生産枚数になっておるようだ」聞かされた。何時頃からそのように海苔養殖漁場が増えたのか定かではないようだが、そのように増えた海苔が大きな値下がりもなく消化されていたことについて、韓国内の海苔業界もさほど気にならない様子であったようだ。

その要因と見られているのが、欧米をはじめ東南アジア地区に対する輸出量の増加と国内需要の増加であろう−と見られている。中国に対する輸出も行われているが、欧米の和食ブームと回転寿司のブームでかなりの輸出量になっていたようだ。

また、国内需要は、岩海苔の味付のり(塩味)が人気を呼び、生産量が増えているといわれる。一般の人に聞いても「岩海苔の味付のりが一番おいしい」という。もう一つは、巻のりの食堂が増えたことである。かつては、夜店が立ち並ぶ商店街の通路で販売されていたが、オリンピックを機会に屋内の販売に規制されたのが、巻のり食堂に転向したといわれるが、ソウル市内のメインストリートをはじめいたるところで見かけられ、「巻のりカフェ」の様相である。

平成19年5月にソウルを訪れた時、「岩海苔を含んだ国内生産枚数は115億枚から120億枚に達しているのではなかろうか」と聞かされた。そして、「今年の黒海苔の生産状態は良くなく、岩海苔を含んだ総生産枚数は約30%減産で82億枚程度ではないだろうか」という。
珍島あたりは国内でも大きな海苔産地ということである。

そのため、国内相場も上がり、日本への輸出海苔は、出品枚数も割り当て枚数の1億6,000万枚より少ない1億0、491万枚で、その内、日本商社の入札価格が安過ぎるとして、売買が成立したのは、約27%の2,833万枚に過ぎなかった。1枚当りの総平均価格は9円77銭であった。ちなみに、日本全国の総平均化価格は、1枚当り8円65銭である。
4年前までは、韓国海苔の輸出割当枚数はすべて日本の海苔業者に売り渡されていたが、一昨年から、一般貿易商社にも割り当てられるようになり、日本の海苔商社に全量売り渡す必要がなくなったのかも知れない。これも時代の変化だろう。

-----------------------------------------------------------------------------

中国

 ◎国内需要に生産間に合わず (2007.7.10更新)

中国の生産枚数も徐々に増えている。と同時に、国内需要も増えている。
中国国内では、日本風の味付のり、海苔スープ、スナック菓子に粉末にして入れた食品などかなり多岐にわたった商品が販売されている。もちろん、コンビニの海苔巻きおにぎりの販売も増えている。
このような海苔の需要は沿岸部の都市部に限られているが、まだ多くの需要が見込まれている。

2003年に「江蘇省紫菜協会」を設立し、2004年から連雲港、如東、海安の3地区で近隣産地の海苔を集荷して、独自に入札会を開いたが、次第に入札会に参加する海苔生産地が増えて、2007年には、連雲港、カンユ、塩城、海安、如東、啓東の6ケ所で開かれている。毎年1月から始まるが、5月中旬まで6回の入札会が開かれる。地元や近隣の海苔買付商社の他、日本、台湾から商社が参加するようになっている。
また、海苔生産地は、徐々に増えているが、干潮になると、河岸から沖合い数十キロメートルに亘って干上がってしまうため、干満のタイミングを見計らって生産することになり、生産効率に課題が多いようだ。
最近は、生産者も増えており、海苔養殖漁場が次第に沖合いに広がり、海苔を摘む専従者が沖合いに船を浮かべて寝泊りしながら海苔摘みに力を入れる場面も見られるようだ。

国内需要の増加は旺盛で、平成18年現在で約12〜13億枚相当と見られている。また、華僑のルートで世界中に海苔輸出も行っており、世界30ヶ国に約15億枚相当の輸出を行っている。
中国国内の海苔相場は次第に上昇しており、平成17年から始まった輸入割当も、初年度は割り当て枚数を輸出完了したが、平成18年度は、乾海苔1億5,000万枚の割当枚数に対して、売買成立したのは9,061万枚で、割当量の67%程度に終わった。しかし、実際に輸入されたのは、3分の1に満たないと見られている。

そして、平成19年度は、乾海苔1億6,000万枚の割り当て枚数が決定したが、中国側から「対日輸出海苔の入札会は中止したい」と一方的な連絡があって、行われていない。
中国国内生産数量を現地の入札会に出品された数量から推定すると、出品総枚数・27億9,372万枚。落札枚数・24億2,505万枚に達しており、入札の集荷比率を80%と見ても、30億枚以上の生産枚数に達したと見られている。
対日輸出を中止する要因の一つとして、中国産品の安心・安全基準に日本で大きな不安が見られることも挙げられているようだ。

 ◎中国海苔生産枚数の推移 (単位:万枚)
2007.7.10更新
年 度
枚 数
年 度
枚 数
1991〜1992
3億2,000
2000〜2001
9億5,181
1992〜1993
5億5,000
2001〜2002
15億7,216
1993〜1994
3億0,000
2002〜2003
21億1,843
1994〜1995
4億4,000
2003〜2004
18億0,000
1995〜1996
3億8,000
2004〜2005
7億1,269
1997〜1998
4億6,228
2005〜2006
16億3,939
1998〜1999
10億4,201
2006〜2007
27億9,372
1999〜2000
10億6,887
   
(備考)
2004〜2005年度以降の枚数は、「江蘇省紫菜協会」の年度入札会の出品総枚数を掲載することにしました。江蘇省は国内産地の約90%以上を占め、入札会出品枚数は江蘇省の生産数量の約90%に達しています。

-----------------------------------------------------------------------------

1980年にワシントン州シアトル沖のピューゼット湾でスミス氏によって海苔養殖が行なわれた。
しかし、3年間程度で生産を諦め、カナダ国境のメーン州沿岸で生産されているようだ。
 かつて、ハワイ島で海水による温度差発電で汲み上げられる低温度海水を利用したプール式の海苔養殖が行なわれたが、今はヒジキなどの養殖が行なわれているようだ。
1986年頃から海苔養殖についての研究が始まり、海苔養殖企業の「ニュージーランド ノリ プロダクツ リミテッド」が設立され、1990年3月から本格的な海苔養殖に取り組んだ。
 漁場は、ニュージーランド南島の南端にあるインバーカーゲル市(人口約5万人)に面したブラフハーバーである。水深4〜5メートルで、干満差は約2メートル、水温は最高時16℃、最低時8℃という漁場である。
海苔の生産は3月から始って8月頃まで続くということである。日本とはシーズンが逆になる。初年度は、30万枚の生産であったが、100万枚の国内需要は十分あり、隣国のオーストラリアへの輸出も行なって、生産数量を増加している。
イギリスの南部地区にある南ウェールズ・ガワー半島が産地である。南ウェールズでは、海岸に生えているスサビ海苔を摘み取って、原藻をよく洗って、そのまま煮沸したペースト状の海苔が食品として市場で販売されている。
 イギリスでも、このウェールズ地方だけの食品といわれるが、テレビ番組に出演した、C・W・ニコルさんの話では、快晴の日が少ない土地柄で、乾燥して保管する習慣が見られないことが大きな要因のようである。
 ちなみに、海苔の種子が貝殻の中で夏を越し、秋になると果胞子を出して海の中に泳ぎだすことを発見したのは、イギリスの海藻学者、キャサリン・メリー・ドゥルー女史である。ドゥルー女史によって海苔のライフサイクルが発見されたことによって、日本で人工採苗技術が開発され、海苔養殖漁業が発展したのである。