世界の産地
new更新日:2016.03.17
・韓国・中国の産地情報を更新しました。
韓国

韓国、平成26年度漁期の概況
new (2016.03.17更新)

平成26年度漁期における韓国の海苔総生産量が、韓国筋の情報によると128億枚であったことが判明した。前年度実績が135億枚だったことから、前年に比べ5%減産となっている。地域別にみると、◇全羅南道・100億3,600万枚(前年度実績・93億9,700万枚)。◇全羅北道・6億6,600万枚(同・13億6,400万枚)。◇忠清南道・10億4,100万枚(同・13億8,700万枚)。◇釜山・4億7,700万枚(同・5億0,200万枚)。◇京畿・5億6,300万枚(同・8億2,200万枚)。原藻の平均価格は772ウォン/kg(同・728ウォン/kg)と前年度より高めに推移している。平成27年1〜5月の輸出量は19億3,700万枚(同・17億0,700万枚)となっており、前年同期累計より13.5%の伸びを示している。漁期の初め、水温降下が遅れた影響などで作況が不振だった上、年明け以降は気象の悪化などにより摘採も順調ではなかった。さらに、3月以降、葉体の脱落や珪藻が見られるようになると、早く終了する漁家も増えた。結果、全羅南道以外の地区の生産量は前年度実績を下回った。
平成26年度需要者割当(海苔専業者)分として輸入韓国海苔の乾海苔入札会及び無糖味付海苔と海苔調製品商談会が5月14日、今年度も東京都大田区にある大森本場乾海苔問屋協同組合で行われた。海苔生販5団体分(全国海苔問屋協同組合連合会、全国加工海苔協同組合連合会、日本輸入海苔問屋協同組合、全国漁業協同組合連合会、全国海苔貝類漁業協同組合連合会)として、干しのりの出品枚数は3億2,400万枚(前年度・2億4,800万枚)だったのに対し、成立枚数は約2億2,189万枚(同・約2億0,096万枚)。成約率は68%(同・81%)で成約枚数は前年並みだったが、出品数が増えた分成約率は前年を下回った。平均単価は6円20銭(同5円78銭)で前年に比べ42銭高。高値は7円(同・7円20銭)。安値は4円80銭(同・4円)だった。
一方、出品のなかった全国加工海苔協同組合連合会分を除く海苔生販4団体分の無糖の味付のりとのりの調製品商談会では、無糖の味付のり6,300万枚の出品上限枠に対し200万枚が成立し、成約率は3%。のりの調製品4,800万枚の枠に対し1,000万枚が成立し、成約率は21%だった。


韓国、平成25年度漁期の概況 (2014.12.26更新)

韓国の平成25年度漁期当初は、「例年岩海苔の生産は、10月中旬頃から始まるが、今年の場合は10月初旬頃から開始。前年度は台風被害等により岩海苔の生産量が減少したが、今漁期当初はある程度の生産量が上がりそうな気配にあり、海苔質に関していえば例年に比べるとやや劣ったものになっている」。 そのような話で始まった今漁期だった。
だが、結果として平成25年度漁期が終わってみれば、135億枚程度で終了し、前年度漁期が140億枚程度の生産量だったと推計されていることから、前年度に比べ4%程度の減産となった。減少した要因として、11月期に病気被害が多く発生したことや高水温、降水量不足による生産の伸び悩みなどが挙げられている。
しかし、年明後、1月後半以降は水温の低下と共に生産量が増え始め、3〜4月は前年同期を上回る結果を出した。原藻価格の相場状況としては、昨年に引き続き、今年も岩海苔系統の生産状態が悪く、価格が高めに推移した。また、スサビ系についても後半生産量は伸びたが、質の良い海苔が限定的だったこととそれまで生産不振で購入を手控えていた業者の積極的な買いが入った事で価格が大きく伸びた。漁期を通してみると前年度漁期に比べ1割程度上昇している。
5月21日、今年度も東京都大田区の大森本場乾海苔問屋協同組合で平成25年度需要者割当(海苔専業者)分として輸入韓国海苔の乾海苔入札会及び無糖味付海苔と海苔調製品商談会が行われた。乾海苔の出品枚数は2億4,800万枚(前年度・約2億2,243万枚)だったのに対し、成立枚数は約2億0,096万枚(同・約1億8,223万枚)。成約率は81%(同・82%)となり、前年よりさらに円安が進む中、前年並みの成約率にこぎつけた。平均単価は5円78銭(同5円54銭)で前年に比べ24銭高。
高値は7円20銭(同・7円)。安値は4円(同・3円90銭)だった。

一方、商談会では、海苔調製品6,300万枚(同・7,600万枚)の需要者割当の上限枠に対し約2,125万枚(同・約5,029万枚)が成立し、成約率は34%(同・66%)。無糖味付海苔1億2,700万枚(同・1億0,100万枚)の上限枠に対し約602万枚(同・約200万枚)が成立。成約率は5%(同・2%)となった。無糖味付海苔で若干、前年を上回る成約率だったが、海苔調製品の成約比率は半減するなど、いずれにせよ低調であった。

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中国

平成26年度漁期の概況 (2016.03.17更新)new

平成26年度漁期当初、採苗期間が長くなり、病害や生長鈍化などにより第1回入札会への出品は平年作を下回るものになった。そのため、平年より質的に見劣りするものでも積極的に落札され、100枚当たりの総平均単価は前年同期より1元高で始まった。第2回入札会では、出遅れていた初摘み生産分が出品されたため、生産数量的には大豊作だった前年同回と同程度の数量になっている。しかし、産地によっては病害によるイタミが多く、成約率の低いところも見られた。第3回入札会では、前回不成立品の出品も多く、前年比でみても大幅な減産となっている。また、このころから出品分にイタミ、アオ、珪藻が目立ち始めており、成約率の低さや最安値価格にも表れている。第4回入札会以降、質的にその傾向が強まった反面、平均価格は前年同回を上回っているが、第5、6回入札会の出品量の減少や低調な成約率につながった。
江蘇省海苔協会主催の入札会における成約枚数が約30億2,908万枚(前年度実績・約40億2,607万枚)となり前年度実績の10億枚減となっている(表1)。前年度の生産実績は一昨年に引き続き50億枚程度になったとの見方が大勢だったが、今漁期は40億枚前後の大不作になったと考えられる。


平成25年度漁期の概況 (2014.12.26更新)

平成25年度漁期当初、育苗期の水温降下などが順調ではなかったことで、生産までに手間取った。
だが、終わってみれば江蘇省海苔協会主催の入札会における出品枚数は約55億3,525万枚(前年度・約46億6,847万枚)、成約枚数が約40億2,607万枚(同・約40億4,174万枚)と概ね前年並みの成約枚数になった(表1)。
その結果、25年度漁期の総生産枚数は、相対取引などを含めると、中国海苔養殖漁業本格化以来最高の生産枚数に達したと言われている前年度に引き続き、50億枚程度になったとの見方が大勢である。ただし、今漁期の特徴として、生産数量が多かったこともあるが、質の落ちた珪藻入り製品が増えたことなどにより再出品分が多く、平均単価も漁期中盤から終盤にかけ、前年同期を下回る入札結果が多かった。また、地元中国でゼリーなどの製菓を製造・販売している企業(美好時光)の買付数量が最も多く、2位以下の買付数量を大きく引き離している点などが挙げられる。



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1980年にワシントン州シアトル沖のピューゼット湾でスミス氏によって海苔養殖が行なわれた。
しかし、3年間程度で生産を諦め、カナダ国境のメーン州沿岸で生産されているようだ。
 かつて、ハワイ島で海水による温度差発電で汲み上げられる低温度海水を利用したプール式の海苔養殖が行なわれたが、今はヒジキなどの養殖が行なわれているようだ。
1986年頃から海苔養殖についての研究が始まり、海苔養殖企業の「ニュージーランド ノリ プロダクツ リミテッド」が設立され、1990年3月から本格的な海苔養殖に取り組んだ。
 漁場は、ニュージーランド南島の南端にあるインバーカーゲル市(人口約5万人)に面したブラフハーバーである。水深4〜5メートルで、干満差は約2メートル、水温は最高時16℃、最低時8℃という漁場である。
海苔の生産は3月から始って8月頃まで続くということである。日本とはシーズンが逆になる。初年度は、30万枚の生産であったが、100万枚の国内需要は十分あり、隣国のオーストラリアへの輸出も行なって、生産数量を増加している。
イギリスの南部地区にある南ウェールズ・ガワー半島が産地である。南ウェールズでは、海岸に生えているスサビ海苔を摘み取って、原藻をよく洗って、そのまま煮沸したペースト状の海苔が食品として市場で販売されている。
 イギリスでも、このウェールズ地方だけの食品といわれるが、テレビ番組に出演した、C・W・ニコルさんの話では、快晴の日が少ない土地柄で、乾燥して保管する習慣が見られないことが大きな要因のようである。
 ちなみに、海苔の種子が貝殻の中で夏を越し、秋になると果胞子を出して海の中に泳ぎだすことを発見したのは、イギリスの海藻学者、キャサリン・メリー・ドゥルー女史である。ドゥルー女史によって海苔のライフサイクルが発見されたことによって、日本で人工採苗技術が開発され、海苔養殖漁業が発展したのである。