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海苔巻きいろいろ

清武泰子(きよたけ やすこ)先生

叶H品産業情報センターで実施している「絵巻海苔」キャラバンで、巻き方指導してもらう
管理栄養士・清武先生。
海苔を使った一品料理やその他の料理について味のコメントだけでなく栄養学的知見から紹介。

 
 
2016.04.28発


熊本地震被災の皆様へ

平成28年4月14日夜、続けてよく16日未明熊本を大地震が襲いました。  
本当に本当に驚きました。
 ここ福岡でも家が潰れる思う程の激しい揺れがありましたが、一夜明けると熊本の目を疑う惨状がテレビに映し出されました。
 私の家族皆、熊本が好きで年に数回訪れ癒されていた美しい里山が、熊本の街が変わり果てた姿になって、一体 何という事でしょう。
 我が家が、我が町が一瞬にして押し潰され、そして、その犠牲になってお亡くなりになられた方々まで・・・。心よりご冥福お祈り致します。
 そして、帰る家を失い、けがをなさったり体調を崩してしまわれたり、心にも大きな傷を受けてしまわれた被災者の方々、どんなにおつらく苦しい事でしょう。
 おなぐさめする言葉もございませんが、どうかどうか生きて下さい。拝
 今はまだ不自由な避難所や車の中での生活で、食物や生活必需品にも事欠く有様でしょうけれど、私たちは少しでもお心に寄り添い、お手伝いできるように考えて参ります。
 重ねてお亡くなりになられた方々へ 哀悼を捧げ 被害に遭われおつらい生活を強いられておられる皆様のご無事を祈念致します。
平成28年4月26日
管理栄養士 清武泰子
 
2016.04.26発


またも大雪、大分・留学生対象の絵巻すし教室

さて、今回は今年1月、大分県別府市の立命館アジア太平洋大学(以下,APU)で行われた“絵巻すし”教室のお話です。昨年に続き2回目のイベントで、恵方巻きシーズンに合わせ、海苔普及の一環として開催されました。私たち絵巻すし教室スタッフの他、九州・山口地区の海苔生産者団体で作る主催者側の九州地区漁連乾海苔共販協議会から各県漁連・漁協職員約20名も参加。海苔業界で普及中の“手まきごはん(焼海苔の上にご飯と冷蔵庫にある好きな具材を何でものせて巻いて食べるというもの)”も合わせて行われました。

ですが、この時期の仕事では一つ心配な事が・・・。そう、以前東京で実施した絵巻すし教室の時も大雪ですごい目に遭いましたが。APUは別府市郊外の標高が高い山の上。環境は抜群に良いのですが、傍を通る高速の大分自動車道は濃霧でも時々不通になるし、平地に積雪がなくてもここはダメだった、なんて事もしばしば。2〜3日前から「寒波が来るぞ、来るぞ。大雪が降るぞ」と、家人が天気予報を見ては脅すので、戦々恐々・・・。「予報が外れる事もあるし」と、思っていましたが、前日午後にはすでに、平地でも雪が降り始め、漁連・漁協職員は早めに現地入りした、との情報が入りました。私たち絵巻すし教室スタッフは、食材の調達やイベント当日朝に野菜を切ったり、茹でたりする作業があるため、九州管内で行う教室で前日から現地入りした事はありません。当日雪で会場に行けないなんて事になると大変です。今回は会場となる共催者のAPU生協に色々手配して貰ったところ、現地で食材の準備が出来るという確認が取れたため、急きょ前日の夕方から会場近くの宿泊先まで行くことになりました。

慌しく準備をして出発しましたが、、途中で日は暮れ、雪はどんどん激しく横殴りに降り、高速道路の路面にあっという間に積もり始めたのです。ハンドルを取られて車体はフラフラ滑るし、強風にもあおられ、車体は大きく揺れます。車の行く手、数メートル先までしか視界もきかず、同乗のスタッフも恐ろしくてシーン。日頃は“バア様暴走族”と呼ばれ、無謀運転の代表格のようなこの私が、「こりゃあヤバイぞ・・・」と、蒼くなりましたねぇ。この状態で高速道路が通れた事自体、不思議でしたが、その後すぐ不通になったそうで当たり前!危なかった!!恵方巻きの時期、これまで何度もこんな怖い目に遭っているので、この私が雨女ならぬ雪女じゃないか、と言われております。失礼な!!!まあ、確かに良くしゃべる口裂け女のごとき風貌はしておりますが、ババシャツ2枚、厚手のパッチに靴下3枚重ね履きしている寒がりの雪女なんているのかねぇ・・・。(笑)

翌朝は、ホテルから大学までの山道が積雪で登れなければ、講義が休講となり学生も来ないとの事。休講にでもなったら、昨日恐ろしい思いをして別府まで辿り着いた関係者の苦労は水の泡。祈るように車で登り始め、何とか無事到着。まずは、会場に着かなくちゃ何も出来ませんからね。本当にそれだけでホッとして「やったー!着いたー!良かったー!!」と、スタッフは大喜びでした。

ホッとしたのも束の間、すぐ準備です。昨年は、豚肉を食べないムスリム(イスラム教徒)の学生がいることを知らず、持参した具材ソーセージに豚肉が入っており、使えず慌てふためいた。その経験から、今年はチーズかまぼこを使用する事にしました。昨年もお世話になった生協担当者のチェックが入り、自信を持って「今年は大丈夫です」と、胸を張っていた私でしたが、にも関わらず、食品表示に書かれた“アミノ酸エキス”をご覧になって「これはダメ!使えない」と。「ええー!!エキスもだめ?!」。「原料に何が使ってあるか分からないから」との理由で、今年もまた、ムスリムの方用に羊肉ソ−セージが特別に準備されました。宗教上の戒律がこのように厳しいものかと思い知ると同時に、日本で忠実にそれを守る外国の若者に頭の下がる思いでした。まだ、日本語も良く理解できない留学当初は外食や市販の食品のチェックにも不便不自由を強いられている事でしょう。この年の私でさえ日頃、朝晩は仏壇に灯明、線香を上げ、チーンと鐘を打ち、仏教徒の体はしておりますが、年末はクリスマスに浮き足立ち、わずか1週間ほどして正月になるとお宮に参拝して拍手を打つ、と節操のない事をしています。私の考えは甘かった。反省、反省です。

準備を終え、絵巻すし教室は午後1時と3時の2回行いました。別会場ではお昼にかけ、
各漁連・漁協のスタッフがたくさんの具材を持ち込み、海苔と白飯の上に色々な食材をトッピングする“手まきごはん”を振舞い、大盛況だったそうです。でも、外は吹雪になるほど雪が降り、高速道路や一般道路の通行止め情報が次々と入ります。この時期は海苔入札のある繁忙期で各漁連・漁協職員は「今日は帰れないかも・・・」と心配顔。しかし、「何としてでも帰らなければ」と、情報収集をしていました。私は、と言うと、「帰れなかったら、あと一晩別府温泉タイ」「元気に参加してくれた学生さん達と絵巻すしを楽しく、きちんとやらなきゃ!」と、気合いを入れておりました。
参加者の中には、昨年も来ていた学生が何人もいました。会場に入るとすぐ、「キョネンモキマシタ」「マタヤリタカッタ」「タノシカッタ」「オイシカッタ」と声をかけてくれ、すごく嬉しかったです。絵巻すし教室での出会いはその時1度、その場限りのご縁の方がほとんどです。感想や意見等を伺う時間がない場合もあり、出来上がった絵巻すしをカットした時の嬉しそうな顔や歓声が私への評価だと思っています。こうやって1年後、また参加したいという評価を頂き、再会が叶うのは「ああ、良かった」と指導者冥利に尽きるというものです。その冥利に尽きるが故、更にヒートアップして筑後訛りの博多弁をまくし立てるのですが、学生達には「何のこつやら意味が分からんやっちょろや・・・」(笑)。

でもね、今回「梅の花」を作りましたが、出来は素晴らしかった!皆、巻きすしの経験がないので自己流を出しようもなく、素直に言われた通りに作りますからね。皆で見せ合いっこして、撮影会が始まり大盛り上がりでした。中に日本語の上手な学生がいて、「わぁ、すごーい!!短期間で(日本語)すごく上手になったね。何年生?」と聞いたら、「私、日本人です」って返事が返ってきて皆大爆笑!ほんとにもう、アタシったら何てドジ・・・。

2回目の教室が終了し、九州各県から集まってきた漁連・漁協職員と我々絵巻すしスタッフはとにかく、それぞれ住まいのある地域にそれぞれのルートで帰途に着きました。もちろん高速の大分自動車道、別府・日田間の一般道路はすでに通行止め。我々はやむなく、大分から北九州周りで会社や自宅のある福岡県朝倉郡を目指す事になりました。普通なら1時間半程度の道のりですが、運転を代わってあげる事もせず、ひたすら居眠り(もちろん、お仕事で疲れているからよ・・・)。4時間半もかかってようやく帰り着き、「飛行機で東京に行くより遠かった」などと、ホザく寒がりの雪女でした。では、また・・・。

 
 
2016.04.18発


「バルーン」の絵巻すしにも自信

いけね〜・・・。
 また長らくの御無沙汰になっちゃってる・・・・。
 「ひとこと」をきちんとサボらず、絵巻教室がある度に書こう!と、毎年1〜2回決心しているよ〜な・・・・気もするけど。
 昔から意志薄弱、薄志弱行、三日坊主、無芸大食(?)・・・。
 また 前回から半年も過ぎていたなんて・・・・。

 中身の濃い濃い半年でした。
 絵巻ずし教室より、自分の身のまわりの個人的なことに右往左往してて濃いかったのですが、海苔とはな〜んの関係もないので、いずれ海苔にからめてちょびっとづつ小出し致しましょう。身のまわりが忙しいと「ひとこと」は、あ〜っちの方にイッちゃって、すまんこってす・・・。

 さて、ジタバタしてた半年間に佐賀バルーン、長崎水産加工振興祭、大分APU(立命館アジア太平洋大学)と、3ヶ所で絵巻すし教室を行ないました。昨年の2ヶ所はもう慣れた場所、慣れた流れ、慣れた図柄と、勝手知ったる教室ではありますが、参加なさる方々との出会いはいつも波乱万丈。
 私のナマリ入り変な博多弁に、皆様はホンロウされつつ、笑いあり、ハア???あり、取り返しのつかないしっぱいのあり、と何も印象もなく終わる事はありません。バルーン会場では、元気な高齢の御夫婦が「私達、静岡からわざわざ来たのよ〜」とおっしゃるので「えええ〜!そんな遠くから、ありがとうございまーす!!」と、お礼申しましたが、絵巻ずし教室ではなく、バルーンを見にいらしたんです。ハイ。
 でも、終わってみれば「こんな楽しい教室に参加できるなんて良かった!ありがとう!!」と記念写真まで御一緒に、と誘われる程喜んで頂き、完成までに苦節30本を要した「バルーン巻き」に自信を持った清武でありました。
 佐賀漁連さんから最高にいい海苔を提供して頂きましたしね。有りがたい事です。昨年は暖冬に大雨と海苔には最悪な天候に見舞われ、アカが発生して、養殖中の海苔網を引き上げなくてはならない事になって、生産者の方は大変だったんです。

 さて、もう1ヶ所、暮の長崎水産加工祭は、私がとても楽しみにしている所です。もちろん仕事第一(えっホント?の声が聞こえるような・・・)ではありますが、絵巻き教室の資材等の会場搬入は会社の若いモンに押し付けて、海の幸の中にまず突入!!!。田舎の田んぼの中に暮らしているので、10歩歩いたら海という会場で、山のように積まれた海の幸を見ると、もお!コーフンしてしまいます。数十店が出店して、長崎俵物(高級海産干物)、多種多様の練製品、塩乾物、鯨肉・・・、とのかく海の物一同にこれだけ集まるのを、私は他で見たことがありません。
 年末3日間の開催ですが、開場と同時に数百人のお客さんが押し合いへし合い、札束握りしめて買い物ををなさるのです。「あの、あの・・・それ下さい・・・。」なんて言ったってゲットできない。「おばちゃーん、それ、それ、それちょーだーい!!」って張り上げないとね(笑)。だから絵巻きずし教室に参加される方々は、皆、両手にちぎれんばかりにお荷物を下げてお見えになります。その、わじゃわじゃした中で、わじゃわじゃ騒ぎながら、絵巻きずしを作る。これが、また、おもしろかとです。
 いつもご当地の海苔を使うのですが、佐賀、福岡、長崎と産地によって特徴があり、長崎ののりは巻き寿司によく合うのです。やや固めで味があり、巻き上げると黒々つやつや、見栄えが良く、ぐっと締まって、切ると模様がパキッ!と美しく浮き出ます。生産者も生産量も減ってきているとの事で、御苦労も多いのでしょうが、何とか頑張って欲しいものです。

 こんな海産物の買い物が目的で見えるお客様、しかも平日ですから、いつもの絵巻きずし教室に参加される子供や若い方の参加はほぼナシ。中年以上の方々で一杯になります。机しかないテントの前に長い列を作ってあるので「何に並んでいるんですか?」と聞いたら「絵巻きずし教室」と。予約に並んであったんです。いやあ、嬉しかったなあ。
 しかし、教室が始まると・・・。「まだ、触らないで説明聞いて下さいね」と、言っているのに、もうすでに自分流で始めてる・・・なんて方がいらして、当然まちがえて、「あちゃー!!!」。私こそ「あちゃー、こらしもた!、どげんするかいな!?」とあわてふためく私の姿に皆様大爆笑!。私は必死なんだけど・・・。マイクを通して会場に私の博多弁が流れるので、「何事だ!」と、ばかりに見物人が増えて大賑わい。この皆様のありように、己の行く末を垣間見る感もあって、今回もすっごく楽しい大好きな ナガサキ でした。

 長くなりましたから、次回にワカモンしか参加しない大分APU(立命館アジア太平洋大学)のお話を・・・。
 ちっともプライベートな話とからまってないけど、実は、今年は私の干支・・・。48歳になりました。ウソ、還暦です。オーコワ!!。

 
2015.08.18発


「東京絵巻すし教室」第2弾

 今回は、2度目の東京伊勢丹絵巻すし教室のお話です。
昨年は、45年ぶりの大雪に見舞われた東京で教室が行なわれ"吹雪"なるものも体験致しました。東北や北海道ではなく東京のド真ん中で、デス!! いや〜すごかった! 。教室を終えて東京駅そばに宿を取っていたので何とか辿り着かなくちゃと駅に行きましたが、ダイヤが乱れに乱れていつ電車が来るのかもわからないし、心細かった・・・。
やっと来た電車に乗ったものの特急のはずが各駅停車だし、一度停まると扉は開いたまま、いつ発車するか分からず、電車の中まで雪が降り込んで、行く時は30分程しかかからなかった所を2時間余りもかかって東京駅に到着。
これで何とかなる、ここからは徒歩7分でホテルに着くと聞いているから・・・と、ホッとしたのですが、外に出てみたらすでにすごい積雪。更にまだ吹雪中。とても歩ける状況じゃない。諦めてタクシーに乗ろうとするも待っている人で延々長蛇の列。タクシーはちっとも来ない。いつ乗れるのかもわからない。
とうとう意を決し、歩く事にしました吹雪の中を・・・。30cm位ある積雪に足はズボッとのめり込み、履いているのはつるつるの革靴で滑り転びそうになるし、カートは持ち上げないと引いては行けないし、ぴゅ〜ぴゅ〜吹きつける雪をまともに顔に浴びながら、まるで苦行僧のようにわずかづつ前進・・・。
横断歩道もどこにあるのか雪で見ないし、はるか彼方に見える歩行者用の青信号を頼りに渡ろうとするも、道の真ん中で赤信号に変わってしまう有様。
東京のド真ん中の道ちゃなんて幅の広かとですか?! 福岡でも見た事ない。東京駅すぐそばで遭難するかと思いました。今思い出しても、体が冷たくなって涙が出そうになります。

 初めて九州を飛び出して花のお江戸でこんな体験をしましたから異常に前口上が長くなりました・・・反省・・・。
とにかく、このような状況でしたから、参加された方々のお声だとか、主催者の評価等々伺う余裕もなく帰福し、「九州ちゃなんて良かとこじゃろか・・・」。
の思い新たに、仕事で再び東京を訪れる事があろうとは露ぞ思っていなかったのです。
ところが、ところがです。「昨年の絵巻すし教室はすごく評判がよかった。今年もやって頂きたい。回数も増やしてお願いしたい」と依頼がありました。「えええ〜!!! ほんと〜?」。
そんな評価をして頂けるとは、ひたすら驚き、そして1年後にしみじみと嬉しく思いました。
昨年と同じく大九州展、佐賀県からの依頼で佐賀海苔普及のための絵巻すし教室です。
昨年は、初めての東京で、慣れた地元とは違い食材調達の不安もあって色つきごはんなど使えませんでしたが、今回は勝手も分かり、ピンク色のごはんを使う事にしましたので図柄の幅も広がりました。
ご要望に応え、1日に3回、図柄も違う3点としました。九州内の慣れたイベントの時でも1日に3回教室をすることはめったにありません。
しかも全部違う図柄・・・。評判が良かったと聞くと嬉しくて「やるやる!!」と言ったものの、ハードでした・・・。
教室と教室の空き時間はわずかで、終了すると後片付け、次の回の具材詰め、テーブルのセッティングと目のまわるような忙しさ。ゆっくり座って休息する暇もなく時間に追われました。
でも、昨年のように天気のトラブルもなく、どの回も予約がすぐに一杯になる盛況ぶり!! 。入れなかった方が「せめて 見せて」と見えたりしました。
佐賀海苔先発隊が府中の小学校に、佐賀海苔普及活動の一環として、海苔の無料配布に訪れ「金太郎飴みたいにどこを切っても同じ模様が出てくる絵巻すし教室をやりますから参加して下さい」の掛け声に、親御さんと共に伊勢丹府中店まで来てくれた親子も数組おられ、皆真剣でした。
巻き終わり切った時の図柄に「わあ〜!!」の大歓声とこぼれんばかりの笑顔、知らない人同士で見せ合いっこして和気あいあい・・・。
私も「ああ 良かった・・・。東京まで来て良い仕事をさせて頂いて・・・」と満足感でいっぱい! 終了後、何人何組もの方達が、感想やお礼を言いに私の所へ来て下さいました。
「ここで定期的にやって下さい。必ずさんかするから」「他にどんな図柄があるの? 違うのを教えて」。子供も「すごく楽しかった! 」親御さんも「子供とこんな体験が出来て良かったあ〜! また参加したい」。「おもしろかった。不思議なおすし。だけど完成したらすごくきれいで感激しました。その上おいしい!!」等々・・・。
昨年は「外はすごい雪になっている」との情報で、参加者の方々の帰りも心配な状況と違い、今年は「こんなに喜んで頂いて良かった・・・」と、ゆっくり肌で感じる一日となりました。
目の回るような忙しい一日だったけど、無事にやり終えて充実感でいっぱいでした。

 それにしても・・・。作り方を的確に伝えたい、と 必死になると私の博多弁は尚更ひどくなっているらしく、佐賀から東京に出向して教室をサポートして下さったイケメンの彼から何度も標準語への訂正がありました。
今年もまたご依頼を頂けるなどとは思わず、昨年の「ひとこと」に標準語で指導が出来るように頑張ります。などと申しましたが、まさか今年は通訳が必要だったとは!!! 。

2015.07.14発

「留学生との絵巻きすし教室」

 毎回私の「ひとこと」は長〜い、御無沙汰の言い訳からから始まっている事に過去の「ひとこと」を読み返して気が付いた。
何とも見苦しい・・・。いや聞き苦しい・・・。
もう言わない・・・。
でも、また 御無沙汰がボーッとしている間に長くなってしまいました。
これが 私です。(何と厚かましい開き直りなのだ・・・。)

絵巻ずしの仕事をする度に「そうだ! ひとことに書こう! 」といつも思うのです。
それぞれの教室に楽しいよき出会いがあり、感心することや稀有な体験をすることもあり、中には
「ええーっ!!」と、とんでもない驚きに出くわす事もあります。
なんの感慨もない事の方がありませんから、そのエピソードを「ひとこと」でご紹介していこうと心に誓っとるのですよ、一応・・・。
ところが絵巻すし教室は、実りの秋、たくさんのイベント事業や、冬の食材の傷みが少ない時期に集中しておりまして、1つクリアすると次の準備、終わると次の準備と、たて続けになってしまいます。
年々、気力、体力の衰えを実感している私としましては、この教室が終わってから「ひとこと」かこうね、なんて一息ついてるうちに次の準備が・・・じゃ次のが終わってからね、と思っていると次が・・・。とやっているうちに月日はまたたくまに過ぎて・・・。
今回の「ひとこと」も、まずこんな長い言い訳からかよ・・・。
本当にごめんなさい。

 さて、では気を取り戻して・・・。
大分県別府市の立命館アジア太平洋大学で行なわれた留学生対象の「絵巻すし」教室の話です。
皆様、留学生対象でございますよ。
世界各国から勉強のために日本に来ている若者たちです。

 良かった! こんなな時のために英語に磨きをかけといて!! ウソ!! へへへへ・・・。
日本語(ちと怪しい)と博多弁しかできない私なので「一体どう指導したらいいのかな、言葉が通じなかったらどうするのかな・・・。」こんな不安を抱えて赴いた事は初めてでした。
何とか無事に喜んで頂きたいな・・・と緊張しながら具材をパックに詰め始めたら、窓口になって下さった大学生協の方から当日使用するソーセージに
「豚肉は入ってないですか?」と聞かれ、「宗教上豚肉を食べないムスリムの方が参加したら使えないから・・・」と言われます。慌てて食品表示を確認すると豚肉そのもは入っていないけど豚肉エキスが入っていました。「エキスなら大丈夫?」と聞くも「ダメ」でした。
2つの図柄60人分を準備して行きましたが、それぞれに豚肉エキス入りソーセージを使います。
ゲェ―――!! ここは緊張抜群のキャンパス。要するに周囲は見渡す限りの広大な高原の中にあり、スーパーマーケットとか遥かかなたしかない。代わりの食材調達が出来ない!! 清武真っ青・・・。すると、その生協の課長さんが「大きさや長さ違うけどこれで代用を」と、羊肉のソーセージ出して来て提供下さいました。
「さすが〜!! 良かった〜!! 」とひと安心。ドキドキの教室の前に、生協食堂で腹ごしらえ。
まさに人種のるつぼ・・・。圧倒されました。こんなにたくさんの外国人を一度に見ることはありませんし、言葉もいろいろな言語が飛び交って・・・。絵巻きすしのおかげでいろんな体験をさせて頂きます。
いよいよ緊張の教室が始まると入学間もない子は日本語が十分に伝わらない子もいました。だけど同じテーブルの2年目、3年目の子がお国言葉で通訳してくれたのです。私はどこに行っても博多弁でまくし立てます。
「? ? ? ?」の学生さんも・・・。ホントにごめんね。
東南アジアの子が多かったのですが、これお国柄? 意外に静か〜にお作りになられました。私の博多弁に圧倒されたのか「わかる?」とガンを飛ばすと、控えめに、恥ずかしそうに「うん」とうなずく。この控えめ、恥ずかしそう・・・昔の日本人もこうだったような・・・。でも一生懸命なのです。男の子も熱心でした。私の方がほのぼのとした気持ちになりました。
絵巻すしの仕事をしていると、最後に切り取ったときの断面の模様に驚き喜ぶお顔が何よりの糧です。
静かな留学生も最後はやはり
驚きで大盛り上がり!! 帰りには何人もの子が私の所に来てくれて、片言で「アルガトウゴザイマ〜ス」。「ヨカッタ、スゴクタノシカッタ」と。いえいえ、こちらこそ楽しかったよいけいけんでしたと、満足してキャンパスを後にしました。
これを機会に海苔を知って欲しい、たくさん食べて欲しい、そしてお国に帰っても海苔を広めて欲しい・・・と思いました。
「どこに行けば全形海苔はありますか?」と。尋ねた子もあり、世界で「寿司」流行している中、こんな絵巻寿司が作れたら、きっと君はすごいぞ! もうスターだよ!! と、清武の頭は妄想で一杯になったのでした・・・。

 
2014.05.05発


「45年振りの大雪、東京で"初"絵巻すし教室」

前回書いた「泰子のひとこと」から、長い長いお休みをしておりました。この間、絵巻すしの仕事では西へ東へ南へ北へとうろうろしていました(ホントかいな?)。全く0から創作する新作の絵巻すしにも挑戦しました。完成まで30本以上の試作を繰り返すなど苦労もありますが、巻きすし教室に参加して頂いた方々の喜ぶ顔を拝見すると、その苦労も報われるというものです。そのような話を「ひとこと」で自慢げに報告すればいいのに、元来遅筆ですごく謙虚な私(ウソ)。本当は、自慢話もどこかへ置き忘れるほどただ“ぐうたら”なだけ。その挙句、「ひとこと」を読んで下さっている方から「元気にしているの?」「絵巻すしはもうやっていないの?」と言われる始末。「はい、何とか元気です・・・」と、答えに窮しながら対応しておりました。
その位、長い間「ひとこと」を書いておりませんでしたが、私自身、前回書いていた時と大きく変わったのは体重です。すごーく痩せましたよ。以前「ひとこと」でも書いた高コレステロールや高血圧のため主治医に食事と運動を頑張るように言われたことで、「私もやるときゃやるのよ」と一念発起!!
こんなに本気を出したのは50ウン(?)年生きてきて、過去にはたったの1度。35歳頃ダイエットに挑戦し、短期間で見事10kgの減量に成功しました。洋服は何でも着られて美しく(?)なり、皆に褒められ、嬉しくて。その後、10年かけてじわーっと元に戻ってしまいました・・・。今回が生涯2度目の本気モード。やはり半年経たないうちに10kg体重が落ち、“自分で自分を褒めてあげたい”。ところが、35歳の時と違うのは、あれから20年以上経ち、体がスリムになって美しいかというと全然。久々会った友達から「どーしたと?病気?」と言われるほど、しわくちゃで貧相になってしまいました。痩せて肉の削げた体は女性らしくはなく、周りからは“鶏がら”とか“骨皮筋右衛門”とさんざんな言われようです。血液データはバッチリになったんですけどねぇ・・・。でも未だにひたすら毎日5km黙々と歩いています。3日坊主で長続きしない私が、「サボってないか!?」とチェックする主治医が怖くて1ヶ月続けたら、「結構やれるじゃん私」と、その後も何となく続いています。食事は専門ですし、週末ファーマーの夫が野菜を作ってくれるので、家の中にヤギでもいるのかという位、大量に野菜を食べています。生涯2度目の本気ダイエット。今後いかがな事になりますか、乞うご期待(笑)。

前置きが長くなりましたが、絵巻すし教室を含めこれまで「ひとこと」でお話ししてきたのは九州内でのことばかりでした。今回お話しするのは、九州を一気にグーンと飛び出し、東京のデパート伊勢丹府中店で行われた「親子絵巻すし教室」について。九州の特産品を販売する催事で佐賀海苔のPRイベントとして依頼を受けました。ところが、当日は東京で45年ぶりの25cm積雪という大雪に見舞われました。外の景色の見えないデパート屋内に早朝から居たため、日中降った大雪には気付かずにいました。そのため、会場に見える参加者の親子が長靴を履いている姿に「九州より田舎みたい。長靴でデパートに来るのか。九州じゃ長靴って言うが、東京じゃレインブーツとか言ってオシャレとかいな?」なんて思っていました。しかし、仕事を終え、外に出てみてビックリ!!!
すでに20cm以上雪が積もっている上、まだ吹雪中。皆さん長靴じゃないと歩けなかったのです。小さい子や赤ちゃんをおんぶした若いママの参加もあり、こんな大雪の中、予約しているからと長靴を履いてわざわざ参加して下さったのだと分かりました。参加した皆さんとお別れした後になって、「よくぞお越し頂き有難うございました」と、心の中で手を合わせ感謝致しました。
今回の参加者の中に父親の姿が目立ちました。大雪のため付き添われたのかとも思いますが、母子だけでなく一家での参加がほとんどでした。面白い事を母子だけでするのはもったいない、男親も一緒に楽しむぞ!といった感じですごく熱心でした。親子が隣同士に座って「ああだこうだ」言いながら、楽しんでいる様子が実にほのぼのとしていて。九州ではあまり見かけない姿に、「頑張れ九州男児!!」と、思わず叫びたくなってしまいました。
今回は佐賀海苔の宣伝普及イベントでしたが、参加者には佐賀海苔を口に含んだだけで
「甘い。美味しい!」と大変喜んで頂きました。このような機会を通して佐賀海苔を始め、海苔のファンが増えて欲しいと願っております。
東京に行っても変わらず、博多弁でまくし立てながら指導する私に戸惑うばかりの参加者の皆さん。ごめんなさい。またの機会に備え、標準語で絵巻すしの指導が出来るよう頑張ります!

初めての東京での仕事は、大雪と共に忘れられない、稀有な体験満載の楽しい絵巻すしツアーでした。
 
清武泰子のひとこと過去ログはこちら>>
 
ここ数年、食に起因する病気がすごく増えている。
糖尿病や高血圧など、生活習慣が原因といわれているものだ。
そのひとつひとつは大した事はなくても、2つ3つと複合して命を落とすメタボリックシンドロームというものも新聞やテレビでよく耳にするようになった。しかも小学生のような幼い子供達からすでにその兆候が現れているという。食べたくても物がなかった戦後から約60年。

食べたい物が何でも食べられる
豊かな時代になったのに・・・。
私達は、子供達は、何をどの位
食べたら健康でいられるのでしょう?
少しずつ考えてみませんか?

                  (続)
 
 
アイディア料理に掲載している海苔レシピについて、栄養面などから
清武先生にコメントを頂いています。
是非参考になさって美味しい海苔料理を作ってください!